サマースクール参加時の母の心配(実際のメール)

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こんにちは。受験留学アドバイザーの喜連川綾乃です。

ただいま2024年夏のサマースクールの申込も終盤の時期になります(学校にもよりますが)。コロナのリベンジなのか申込が好調のようで、満員になるのが早いということを聞きました。

サマースクールを色々と調査していたところ、うちの息子が中学3年生の夏にアメリカのテンスクールのフィリップス・アカデミー・アンドーヴァー(Phillips Academy ANDOVER)のサマースクール(ESL)に参加した際に息子のことを心配して綴ったメールを見つけました。

行ってよかったサマースクールですが、親子ともにそれなりに試練がありますので、「生の声」として紹介させていただきます。

また、この年のゴールデンウィークには出願先のボーディングスクール見学のため、キャンパスビジットも行っています。その経験についても触れています。

フィリップス・アカデミー・アンドーヴァーに参加した感想

親子とも「行ってよかった」と思いました

次のメールにあるとおり最初は非常に心配したものの、結果としては息子にとってポジティブな経験になりました。

後でわかって驚いたのですが、友達を作るために彼なりに努力もしたようです。

また、ANDOVERのサマーセッションでは全米トップクラスのレギュラーコースと同じ成績評価尺度が用いられます。息子は心配したにも関わらず、頑張って成果を上げ、事後にアメリカ人のエデュケーショナルコンサルタントに成績を報告したところ、“He did amazingly well academically.” と言われました。

テンスクールのサマープログラム

フィリップス・アカデミー・アンドーヴァーやチョート・ローズマリー・ホール (Choate Rosemary Hall)のようなテンスクールのサマースクールには開成生は毎年のように参加します。

非常に宿題が多く、毎晩2~3時間は英語漬けとなる「よく勉強させてくれる」サマースクールです。ESLコースでもTOEFL60くらいの想定ですが、テストスコアを提出する条件はありません。開成の先輩でTOEFL60も届かずに参加した生徒もいます。勤勉な生徒さんだと聞きました。

テンスクールのプログラムは宿題量が多いので、①TOEFL60以上程度の英語力、②勉強を続ける学習能力のいずれかがあって、③本人の意欲があることが望ましいと思います。

世界中から優秀な生徒が集まる環境ですので、グローバルな視野を獲得できると思います。

  1. フィリップス・アカデミー・アンドーヴァー サマーセッションングリッシュラーニングインスティチュート(ELL)                https://www.andover.edu/summer/on-campus-programs/summer-learning#ell
  2. チョート・ローズマリー・ホール サマープログラムhttps://www.choate.edu/summer/programs/academic-program/eli

サマースクール参加への母の意図

ボーディングスクール留学の試金石

この前年の中学2年生時に私の見込み違いで息子を送り込んだカナダのサマースクールで手痛い経験をして息子は留学に後ろ向きになっていました。一時は留学など考えたくもない、という状況でした。

ボーデイングスクール受験のために英検やTOEFLの受験をしてはいたものの、彼の主体性はなく、私が主導していました。ただ、中学生なりにグローバルな社会で生きていく必要性は感じていたと思います。

このアンドーヴァーのELLは私にとっていわば失地回復の試金石でした。うまく行けばTOEFLスコアアップとともに本格留学に向けてのモティベーションアップになるでしょうし、どうしても無理なら留学は断念することになるかも知れないという賭けのような期待がありました。

ゴールデンウィークの学校訪問

サマースクール前の経験

次の手紙の宛先に関係しますので、ついでにお話しします。

サマースクール参加前のゴールデンウィークにボーディングスクールの出願先選定のため、キャンパスビジットを行いました。

この時期はアメリカのどんな学校でも訪問にベストタイミングですので、検討されている方にはお勧めします。

  1. 緑鮮やかな最も美しい季節                          アメリカの学校の卒業式は5月末に行われます。キャンパスが一番美しい時期にあたり、息をのむほどです。まさにCommencementにふさわしいシーズンであることが実感できます。
  2. レギュラーコースが見学できること                      実際のクラスが開講中ですので、授業風景を見ることができます。(日本の夏休み期間に訪問するとそれが叶いません)

キャンパスビジットの感想

息子はこのキャンパスビジットで少人数での授業スタイルなど、アメリカの学校の良さを感じ取ったようです。また、日本人留学生とも交流することができました。

日本人留学生がハッピーに生活している様子は私にとっても安心材料でした。息子と同じような中高一貫進学校からの留学生が適応できる環境であることを確認できたからです。

日本人留学生との交流

学校訪問時に知り合った日本人留学生とは連絡先を交換し、その後も相談などをさせてもらいました。

次のメールの宛先のT君はその一人です。息子と状況がよく似ていました。

私同様、親御さんの主導で留学することになった難関の中高一貫進学校出身者でした。T君も最初は嫌々での留学でしたが、今は大変に充実している、ということでした。

サマースクール参加直後の心配な思い

私からの相談メール

今の息子の状況を一番よく理解できる方に相談したいと思い、T君にメールを送っています。今読み返しても当時の私の心配な気持ちがよく伝わってきます。

T様

5月の学校訪問時にはお世話になりました。

その節は大変お世話になりよいご意見をいただき、誠に有難うございました。

ただいまは夏休み中でいらっしゃいますでしょうか?

少々、息子の様子について相談させてください。

相変わらず留学については受け身でしたが、TOEFLについては塾効果で6/10で66をマークしました。7/3よりPhillips Academy ANDOVERのESLのサマーセッションに参加しております。

私としては選択に悩んだんですが、同じ開成の先輩に経験をヒアリングした上で決めました。

息子に感想を聞くと、「環境はまぁまぁ、ESLは可もなく不可もなく、先生は厳しいが何とかついていっている」ということで、それほど心配しなかったのですが、日曜日のオプションのイベントにも参加せず、引きこもっているようで、心配になり本人に様子を確認したところ、ストレスでお腹がいたくなることがよくある、というのです。

結論として、「嫌なことは起こらないが、早く日本に帰りたい」という環境不適応の状態のようで今後のことも不安になり、心配しております。

学習環境、生活環境として問題があるとはあまり考えられず、(寮のカウンセラーはいまいちらしいですが)、メンタルな問題だと思います。

このような症状は、留学初期であれば、あり得ることで、克服できることなのでしょうか?そのようなご経験おありでしたでしょうか?もしあれば、どのように克服されたでしょうか?

本人はどこに行っても、「日本が一番いい」と言うタイプです。

(まぁ、我々大人も所詮、そのような感想に落ち着くのですが。)

お忙しいところ、誠に恐れ入りますが、可能でしたら、ご経験なりとお教え頂ければ幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

T君の返信

喜連川様

ご無沙汰しております。彼の様子は特に不自然なものではないと思います。

留学先の生活環境自体に問題がなくても、日本との環境の違いがストレスになることは大いにあり得ます。僕も留学したばかりの二週間はホームシックが激しく暇があればすぐに悲しくなって、食事も喉を通らない程に泣き、その際に5、6kg体重が減りました。

僕の場合はこれくらい酷い症状でしたが、留学後一ヶ月もしたらすっかり元気になりました。克服できた主な原因は「慣れ」だと思います。時間とともに友達も増えていくだろうし、友達との交流を通して孤独感からのストレスを感じることは減っていくはずです。ただ、生活環境に十分に慣れるまでは家族とこまめに連絡をとる(電話/ビデオ通話)などしてクッションを置きながらが良いと思います。

僕もかなりの頻度で母と通話していました。

だから、あまり心配なさらなくて大丈夫だと思います。

これが参考になれば良いですが、また何かありましたらいつでも何でもご連絡下さい。

暑い日が続きますがくれぐれもお体には気をつけてお過ごし下さい。

サマースクールを終えて

意義ある体験

上記のメールは息子の状態がボトムの時期だったようです。私は自分の意図が外れ、逆効果にならないかや、息子の体調まで心配になる崖っぷちな心境でした。

結果的には息子にとってこのサマースクール体験はボーディングスクールへの出願エッセイで題材にするほど達成感のあるものになりました。

学校選びに気を付けること

私は前年の失敗に懲りて、2度と失敗したくなかったのでサマースクール選びを慎重に行いました。同じ学校の先輩の体験談を聞いたことが特によかったと思います。

ここで紹介したテンスクールは学習量が多い方です。もう少しゆったりと過ごせるサマースクールもありますので、お子様に合う学校選びをしていただくとよいと思います

一番大切なこと

子供にとってサマースクール参加は楽しいことばかりではなく、それなりに試練もあります。

親が過大な期待をせず、お子さんがひと夏の間、多少の苦しさを乗り越え、充実した経験ができることが一番大切です。

お子さんが海外に関心を持ち、「また行きたい」と思っていただければ立派に成功だと言えます。

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