大学進学や留学のチャンスを広げる奨学金
こんにちは。受験留学アドバイザーの喜連川綾乃です。
私はファイナンシャル・プランナー(FP)の認定資格を持っており、最近のことですが、FP資格の研修で大学進学のための奨学金制度について学びました。4月からの新学期を前に、奨学金で将来への希望を広げることができることを伝えたいと思います。
私も大学時代に奨学金を受給していました。当時の私にとって、自分で自分の道を切り拓くのは想像以上の喜びでした。親に頼らない生活は清々しくさえありました。
現在、国や企業からの給付型で返済の必要のない奨学金の種類はかなり多く、様々なチャンスがあるのです。
海外留学の奨学金についても合わせて紹介します。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の認定資格
継続教育
私の持つファイナンシャル・プランナー(FP)は認定資格として、更新のために継続的に教育研修やテストを受けることが義務付けられています。計画的に履修しようと、テスト勉強をしていたところ、文部科学省の就学支援制度についての講座を学習することになりました。
奨学金の思い出
樫山奨学財団のこと
私自身も大学時代は奨学金を受給していました。大学に入ってすぐに現在の独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の前身の日本育英会からの貸与奨学金を自分で申し込みました。
他にも大学の学生課で見かけた給付型の民間企業の奨学金に自分で応募して合格することができました。現在でも継続されている公益財団法人樫山奨学財団の大学学部学生奨学金です。
オンワード樫山グループの創業者の樫山純三氏が私財を寄付して始めた奨学財団です。年に2回ほど財団会合があり、友人もできました。当時はまだ樫山純三氏がご存命であり、会合で歌を披露されていました。亡くなられた時は奨学生が悲しんだものです。
応募したのは大学入学直後でしたので、高校時代の成績が対象だったと思います。大学からの推薦とありますが、私の場合、家計困窮度が強かったためではないでしょうか。当時は月額15,000円でした(樫山氏の好意で途中から5,000円アップ)。
当時の私にとってどれだけ有難かったことでしょう。
樫山奨学財団の奨学金
心身ともに健康で、成績優秀かつ経済的支援を必要とする指定大学の4月入学新入生を対象とします。在学校の推薦を受け、本財団の奨学生選考委員会の選考により、奨学生として採用した者に対して奨学金月額40,000円を支給します。
http://kashiyama-sf.com/
文部科学省「高等教育の修学支援新制度」授業料等減免と給付奨学金
国立大学に頑張って合格すればほぼ費用負担なし
2020年4月から開始された制度です。資産がなく、学生本人と生計維持者の住民税(所得割)が非課税世帯については、国立大学で自宅通学の場合、年間授業料約54万円と入学金約28万円の減免、月額給付29,200円が受けられます。
例えば、国立大学に頑張って合格すればほぼ費用負担はなくなります。
入学前年に在学中の高校等を通して申し込む予約採用方法がありますので、高校の早い段階で学校に相談することをお勧めします。但し、予約が取れていてもいったんは入学金の納付を求められる大学もありますので、ケースバイケースの注意が必要です。
高校にも企業型給付奨学金の募集が来ますので、応募するといいと思います。奨学金にも色々と条件がありますので、高校時代の成績は良くあるべきです。
JASSO「進学資金シミュレーター」ツール
JASSOのホームページには「給付奨学金シミュレーション」があり、大まかな年収や扶養状況で、国の新しい給付奨学金制度の対象になりそうかどうかを大まかに調べることができます。大変分かりやすくすぐ使えます。
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/oyakudachi/document/shogakukin-simulator.html
そのほか企業型給付奨学金
似鳥国際奨学財団
うちの息子の開成の先輩は東大生で、似鳥国際奨学財団の大学生向けの奨学金を受給していました。月額50,000円です。対象人数が多いためチャンスがあると思います。
似鳥国際奨学財団の大学生向けの奨学金
最大140名もの採用、とのこと。学力優秀であること、経済的な理由で就学が困難な方を支援するという目的。(直接検索してご覧ください)
海外大学進学のための給付型奨学金
トップ校進学者には数多くのチャンス
近年、大変寛大な海外大学進学者向けの給付型奨学金が創設されています。他にも多くの類似の奨学金があります。うちの息子の同級生は、何かしら獲得して進学しています。
柳井正財団、笹川奨学金とも米国アイビーリーグなどの世界トップクラスの大学を対象にしており、両方で約70名とすると、日本からのトップ校合格者はかなりチャンスがあると考えています。もはやトップ校進学と奨学金獲得はワンセットと考えられます。
柳井正財団海外大学奨学金
柳井奨学財団は、米国の場合、指定大学の奨学生を対象に1名当たり年間9万5千ドルを上限として大学ごとに必要な費用(授業料、寮費、保険料)を算出し、4年間支給を行います。奨学生は生活の心配がまったくなくなり、安心して勉強に打ち込めるというこの上なく有難い奨学金で、驚異的な奨学金制度と言えます。
https://www.yanaitadashi-foundation.or.jp/application/https://www.yanaitadashi-foundation.or.jp/application/
笹川奨学金
柳井正奨学財団とほぼ同条件ですが、所得基準がないことでもはやボーダーレスな印象です。
2023年度実績24校
(直接検索してご覧ください)
海外大学側の奨学金
大学側からのfinancial aidや奨学金受給の可能性もじゅうぶんあります。アイビーリーグなどは資金が潤沢で、need blind校の方が多く、financial aidを申請しても合否に影響しません。
実際に開成卒でハーバードに進学し、奨学金受給された方の事例です。私はこの方の体験談を聞きました。
https://reskill.nikkei.com/article/DGXMZO74486180U1A800C2000000
(ご参考)私立高校
国の就学支援金や、自治体による授業料の負担軽減
私立高校の学費についても国の就学支援金や、地方公共団体による授業料の負担軽減がめざましく開始されていますし、各校独自の奨学金制度がある場合もあります。
開成学園には、「開成会 道灌山奨学金」という全額免除の制度があります。
これらを考えると一番自力本願なのは受験勉強にお金がかかる中学受験かも知れません。
この春中学受験を突破した皆さんは、自らの努力に加え、周囲のサポートで実現した中学時代をぜひ謳歌し尽くしてください。