希学園についてその1.合格力の理由
こんにちは、ワーキングマザーのための受験留学アドバイザー・喜連川綾乃です。
遅ればせながら、読んでみたいと思っていた週刊ダイヤモンド「わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校」(2024年4月6日・13日号)を購入しました。
うちの息子が中学受験でお世話になった希学園が「首都圏18塾「合格力」最新ランキング」で堂々の第3位に入ったという記事があったからです。希学園で息子は小学4年生から3年間、非常に濃い時間を過ごしました。息子の開成合格は希学園抜きには語れません。
息子のチューターであった山﨑信之亮先生のインタビュー記事もかなり掲載されておりました。希学園と特に山﨑先生についてはかねがねお話したいと思っていましたので、シリーズで紹介したいと思います。
希学園の合格実績が上向きに
難関校向けの実力発揮
毎年、希学園の合格実績は見ていますが、2024年春入試実績は大変素晴らしいですね。215名中、筑駒8名、開成13名、桜蔭10名の合格です。
ここのところ少子化や競争激化で心配していました。希学園には最終的に御三家や難関校に押し上げるパワーがあると思っていますので、「難関校向け」という立ち位置にうまく到達できて良かったと感じています。
希学園はどういうところか?
関西コテコテの校風
もともと現在の理事長の前田卓郎先生が関西の灘中受験で有名な浜学園から独立して希学園を関西で創業後、さらに前田先生が首都圏へ進出して立ち上げました。前田先生は「常在戦場」を標語として灘中学合格者数ナンバーワンを誇る浜学園出身ですので、ルーツは浜学園の灘中学を頂点とする受験指導にあると思います。「克己」鉢巻をしめて、「第一志望絶対合格」をシュプレヒコールする熱い校風です。先生は中学受験を知り抜いており、「受験は克己心の塊のようなもの。自分との戦いに打ち勝った者が真の勝利者」という持論を訴えます。
前田先生の専門は算数で、息子もお世話になりました。面談で悩み相談をしたこともあります。前田先生の算数の授業は非常に素晴らしく、ツボを押さえたもので、楽しい雰囲気です。生徒のレベルに合わせて類題をその場で次々に出してくれるところは「さすが」と言えます。
密着度が高いアットホームな校風
在籍者数が200名程度と少なく、こじんまりとしているため、密着度が高いアットホームな校風です。講師には、山﨑先生のように前田先生の希学園での直々の教え子で灘校出身者が多いのです。先生方はアカデミックなレベルが高いだけでなく、もともと灘校生ですから個性的です。その特徴は「希塾講師が天職ではないか」というものです。希以外で他の仕事をしている姿が想像できません。
押し上げるパワー
私は希学園には、うまく活用してついていけば、ランクアップしてくれるパワーがあると思っています。希で「普通に」頑張っていれば、相当の学校も何とかなるように思います。逆に言えば、希で頑張っていれば第一志望校はともかくとして、落ちるイメージが湧きません。開成を目指していてダメでショックだったけど、聖光学院の2回目には合格できた、というような事例があります。
我が家はどうして希学園を選んだか?
都立の中高一貫校か私立の中高一貫校か
小学3年生くらいに中学受験を意識し始めました。その時点では塾探しというよりもどういう中学校を受験するかをまず検討しました。そのため、都立の中高一貫校の学校説明会にも行きましたし、中高一貫校専門塾も見学しました。都立の中高一貫校では大学受験もさりながら、職業観も持たせるという方針が説明されていました。「それはちょっと早いのではないか?中学高校時代にはハイレベルなアカデミック環境がよいのではないか」と思い、私立の中学受験を選択することにしました。私自身が首都圏の中学受験の世界を知りませんでしたが、たとえ失敗しても中学受験で全科目を勉強することは、将来必ず役に立つと考えていました。
塾を軒並み見学
そこで、大手の中学受験塾で自宅から通学可能なところを軒並み見学してみました。希学園の説明会で、「うちの生徒が書いた漫画体験記です」と言って渡してくれたのが山﨑先生でした。「生徒の個性を面白がっている塾なんだな。生徒も楽しそうだな」と感じました。説明会で「希学園とSAPIXの違いは何ですか?」と質問すると、「ウチは、お預かりする時間が長い、長時間拘束型で、例えば、出た宿題をその日のうちにほとんど済ませて帰るようにさせています」という回答でした。私が働いているので、この点は最大の魅力に映りました。
難関校を狙えるかは分かりませんが、高いレベルも視野に入れてスタートしようと思い、SAPIX、日能研も見学してみました。自宅から通うのに問題がなく、「何かSAPIXにないものがありそう」と期待できそうな希学園を選びました。
SAPIXとの比較
我が家はSAPIXへの通塾経験がありませんので単純比較はできませんが、開成生の大部分がSAPIX通塾者であるのは確かです。SAPIXにも希に劣らず熱心な先生もおられるでしょうし、スパイラルでの学習内容にはさほど差がないのではないかと思います。
すんなりと御三家に合格できる層であれば、結果は変わらないかも知れません。
我が家はすんなり合格とはいかず、算数が苦手でしたし、私がかなり塾との意思疎通を重視していたために、希が合っていたのかも知れません。
希で良かった勝因
洗脳型
息子は中学受験後に「希学園にして本当に良かった」と言っていました。希学園でのクラスは大体1番目上のS0クラスで、2番目のS1クラス陥落も味わったこともあります。そうすると、クラスメートが御三家受験者に囲まれることになり、息子にとっては小学校の同級生よりも波長が合っていたようです。
小学校4年生から6年生までいつも机に向かっていて、我が家ではそれが普通の光景でした。それが普通ではないと知ったのは開成中学に入ってからでした。サッパリ机に向かわなくなったのです。希学園では中学受験の勉強を楽しんでいたようです。
今の彼に「どうしてあんなに勉強していたの?」と聞くと、「洗脳されていた」と言います。
希学園は塾全体が「第一志望校絶対合格」を唱えて走る世界です。先生方の個性で生徒を熱く楽しく引っ張る塾ですから、波長が合う子供たちはドップリ浸かります。
親子ともに相性がよいこと
他塾と比較はできませんが、私は希学園には頻繁に授業参観や面談等で足しげく通っていました。私自身が子供の中学受験を楽しんでいたとも言えますが、校舎に足を踏み入れやすい感覚がありました。
希学園は、先生も生徒も克己鉢巻をしめる校風ですから、それにどうしてもついていけない、なじめないという抵抗感がないことも大事です。
希学園を信じて頑張る
息子の場合、開成中学を受験すると決めたのは小学6年生の10月と遅く、出遅れ感もありました。最後は不安でしたが、余計なものに手を出さず、希で勉強したことの復習に徹しました。大げさかも知れませんが、「希と心中する」という心境でした。
「希を信じて楽しく頑張る」のが成功のカギでした。
私がそうできたのは、先生方のアカデミックレベルが高く、困ったときに相談すると、熱く、的確に答えてくれるからでした。
中でも山﨑先生との出会いは息子の開成中学合格を大きく引き寄せてくれました。傑出したチューターの存在は大きかったのです。
次回は、山﨑先生についてお話しします。