私のボーディングスクール物語 Tabor Academyの入学審査官インタビュー「日本人生徒の採用と間近で見守ってきた成長」

For the convenience of native English speakers or learners, the English version is provided below.
こんにちは、ワーキングマザーのための受験留学アドバイザー・喜連川綾乃です。今日は「私のボーディングスクール物語」の特別編をお届けします!
Tabor Academyについて
東海岸の名門進学校”School by the Sea”
Tabor Academy(テイバーアカデミー、以下「Tabor」)は、1876年に創立された、アメリカ合衆国マサチューセッツ州南東部に位置するMarion(マリオン)という町のSippican Harbor(シピカンハーバー)の海に面しているボーディングスクールです。 “School by the Sea”と呼ばれており、海に関連する学問やスポーツが盛んです。
Taborは、アメリカでは超難関校とされる10校のボーディングスクール「10スクール(The Ten Schools)」に次ぐポジショニングの進学校です。
海沿いのロケーションは素晴らしく、一度訪れたら誰でもこの学校に行きたくなるでしょう。

去る2024年10月25日、Taborで留学生の入学審査を担当するインターナショナルセンター長のMr. David Wellstead(写真右端)と、前インターナショナルセンター長のMr. Stephen Downes(写真左端)に、特別にインタビューの機会をいただき、「Taborの日本人生徒の採用や入学後の成長」についてお話を伺いました。

「純ジャパ」日本人生徒が幸せに過ごせる場所
Taborは日本では「有名校である」というイメージと、ESLがない(必要な場合は個別チュータリングを受講)ことにより、難関校というイメージを持たれがちです。実は、日本の中高一貫校出身の生徒――いわゆる「純ジャパ」――を受け入れ、育ててきた実績のある学校ということが、あまり知られていません。
私としては、Taborは「純ジャパ」の生徒が入学当初からの3ヶ月間を乗り切れば幸せに過ごせる、選び抜かれたボーデイングスクールだということを、日本でもっと認知してもらうことが最も大切だと考えています。
今回のインタビューでは、日本人留学希望者のために、特別に「純ジャパ」受験者がどうしたら合格できるかも突っ込んでお聞きしました。
Taborの現役入学審査官にインタビュー!
日本人卒業生の優秀な大学進学状況
喜連川:今回のインタビューに際し、2020年~2024年での日本人生徒の大学進学状況を、Mr. Downesに調べていただきました。着目したのは、“Cum Laude”という「優等賞」受賞者が多数いたということです。これは、クラスの上位20%の成績を収め、さらにその賞にふさわしい人格基準を満たした学生に授与されるものです。日本人生徒は、南カリフォルニア大学、NYU、ノースウェスタン大学、ボストン大学などの名門大学へ進学しています。
日本人生徒がTaborで学業的にも個人的にも成功していることを示すものだと思います。なぜ、日本人生徒は、Taborで成功することができるのでしょうか?
Mr. Stephen Downes(以下「Mr. Downes」):今回この調査で、改めて日本人生徒の活躍を実感しました。出身国別に生徒を見た場合、この高い成功率は非常に注目すべき結果です。
間近で見る日本人生徒の特長と成長の軌跡
Mr. David Wellstead(以下「Mr. Wellstead」):私もこの5年間でかなりの日本人生徒に近しく接してきましたが、日本人生徒は非常に勤勉で努力家です。基礎学力もしっかり準備できています。精神的にも十分成熟しており、Taborでの学校生活を有意義に過ごし、コミュニティに貢献してくれます。また、日本人生徒とその家族はTaborとのつながりが緊密なことも、良い影響を与えている気がしています。
Mr. Downes:ボーディングスクールで過ごす15歳~18歳というのは、人格が形成される非常に重要な時期です。卒業生も含め、日本人生徒を見てきて感じるのは、彼ら彼女らは非常に独立精神が旺盛だということです。表現は難しいのですが、良い意味での「個人主義」というものがあります。日本人は中国人や韓国人に較べれば少数であるため、プレッシャーはありますが、学校側からもよい支援を受けて、着実に仲間を作り、活躍していきます。
卒業生を見ていても日本人生徒は、家族も含めてTaborと非常にフィット感があり、家族ぐるみでTaborを選ぶべくして選んでくれているような気がします。例えば、出光昭介氏[1]はTaborの卒業生なのですが、2023年に亡くなった時のお別れ会には、私はご家族から招待をいただきました。
喜連川: そういった意味では、日本人生徒が入学後にホームシックなどを乗り越えて成長を遂げていくのを、間近で見ておられますね。
[1] 出光興産名誉会長の出光昭介氏はTaborを1952年に卒業している。出光氏は2023年に亡くなるまでTaborを愛し貢献した。出光氏の名前を冠した「出光スカラー」という日本への夏の派遣プログラムという形で残っている。

生徒へのサポート体制
Mr. Wellstead:Taborには一人一人の生徒にアドバイザーがつきますし、我々インターナショナルセンターのスタッフも見守ります。また、ドームペアレントもいます。さまざまな相談相手がおり、生徒側も壁にぶつかった歳には、すぐに適切な支援先を見つけることができます。
Mr. Downes:我々インターナショナルセンターの担当は、年に春・夏・秋の3回各国を訪問して回っています。生徒だけでなく、各国にいる生徒の親ともよく知り合うことで、生徒と親どちらにも「気にかけてくれている」という安心感が伝わり、生徒が安心して学校で活躍できるように感じています。
Taborが求める日本人生徒とは
喜連川:Taborではどのような日本人生徒を求めていますか?
Mr. Downes:我々は生徒が学校でハッピーになれることと、生徒が活躍できるかどうかという観点を持って採用しています。大部分の日本人生徒のTOEFLスコアを平均すると80程度です。
ただ、TOEFLやSSATのスコアは一時点の評価に過ぎません。我々審査官は、その生徒が3~4年後にどうなるかを見据えています。そこには粘り強くもしなやかな気骨があること、オープンであり、他の生徒や教員と一緒にやっていく力があることが望ましいです。
英語力は高いに越したことはありませんが、何か一つのこと、例えばスポーツ競技や物理学、バイオリンなどに傑出していることにも注目します。そうしたことは生徒の強みになり、新しい環境を受け入れ、高い目標を持ってやっていくことにつながります。

Mr. Downes:最近、Taborの入学審査のことを生徒や関係者と話していて気付いたのですが、“nice”であることが必須条件になるのだと思います。Taborにいる子供たちはみんな”being nice”なのです。それがなぜかはわからなかったのですが、”School by the Sea”という独特のロケーション環境に関係していると思います。
Taborの強み
喜連川:Taborが他の学校と比較して特別であるものは何だと思いますか?ボーディングスクールの受験において通常、複数の学校を受験し、合格した学校の中から進学先を選択することになるため、お聞かせください。
Mr. Wellstead:自分が思うのは、「長く濃い歴史のある国際的なコミュニティ」があることです。世界中の留学生と強いつながり、仲間意識があります。例えば出光昭介氏の例のような形ですね。

Mr. Downes :Taborはアジアとの関係が特に深く、現在、タイ、オマーン、バーレーンという3カ国からは政府が選出した派遣奨学生が留学しており、各国に影響を与える著名人に育っています。タイとの歴史は特に古く、初の入学者は1920年に遡ります。タイの海軍の創始者など国家的有名人も輩出しています。そういう実績がタイ政府に認められ、正式に国家奨学生制度として1965年から派遣されるようになりました。卒業生には国家的有名人もいます。
美しい海に開かれたロケーション
Mr. Downes :Taborの美しい海に開かれたロケーションがコミュニティのカルチャーや生活、カリキュラムに与える影響は大きいです。すべてが海に始まり、海につながります。カリキュラムについては、アメリカの高校で唯一「マリンサイエンス(海洋学)」という科目がありますし、漁業や天測航法、航海術の選択科目もあります。また、”Tabor Boy”のようなスクーナーを持っているのはロードアイランドのボーディングスクールのSt. GeorgeとTaborだけです。また、セイリングやヨットなどのウォータースポーツも盛んです。
結局のところ、どういう人々を引き寄せるかも海が決めて、そうした人々が何をするかも海によって決められると言う気がします。出会いといえば偶然ですが、海によって決められるという感覚です。それが、アカデミックカリキュラムであり、Tabor Boyであり、マリンスポーツであるわけです。生徒は海につながるチャンスに恵まれます。先週卒業生の集い“Ocean Week”がありましたが、気候変動などの研究家や、シップビルディングの起業家もいました。
毎年、卒業式の朝には、いつも海に向かって日の出を見ます。そこには“海こそ我々の精神の源”という感覚があります。
どうしたら合格できるか?
TOEFL70でも総合的評価
喜連川:Taborは人気校ですので、入学希望者は多いのですが、どうしたら合格できるかを特に日本人受験生のために教えてください。
Mr. Downes:9年生の入学希望者なら、TOEFLで70、そして学業成績と順応性があればやっていけると思います。インタビューではその辺りを確認します。
喜連川:日本の英語教育事情では中学生にはTOEFLは一般的には難しいのです。救済策として、例えばサマースクールに行くことを条件に緩和することはないのでしょうか?
Mr. Downes:我々は面接で全人格を基に長期的な成長ポテンシャルをしっかり見ますから、条件づけるということはしません。逆にTOEFL が70台であれば、10年生でも柔軟に受け入れます。冒頭に申し上げたように人間性や、基礎的な学力、頑張れるかをよく見て総合的に判断します。
喜連川より
インタビュー冒頭では、日本固有の教育制度と最近急速に進む国際教育や留学の動向や、日本でのボーディングスクール留学希望者のマーケット分析と今後の認知度向上戦略をプレゼンしました。
ボーディングスクール側にも日本固有の教育事情を知ってもらうことが、日本人留学生のポテンシャル理解や、日本市場でのボーディングスクールの認知度向上策の基盤になると常々考えています。

このインタビューが、Taborを希望する日本人生徒への支えになればと考えています。
https://www.taboracademy.org/about
マサチューセッツ州
ボストンローガン空港から車で約1時間
マスコット:Seawolf(シャチ)
まずは喜連川まで早い段階でご相談ください。

Tabor Academy Admissions Officer Interview: “The Admission and Growth of Japanese Students Up Close”
Hello, my name is Ayano Kizuregawa, an admissions adviser for working mothers who are considering study abroad options for their children.
One of the East Coast’s Premier Boarding Schools ”School by the Sea”
Tabor Academy is a boarding school founded in 1876, located in Marion, a town in southeastern Massachusetts, USA, facing the waters of Sippican Harbor. Known as the “School by the Sea,” Tabor is renowned for its strong academic programs and its emphasis on marine studies and sports.
Tabor is considered a highly competitive preparatory school, positioned just below the prestigious “Ten Schools”—a group of ten elite boarding schools in the U.S. Its stunning coastal location makes it an attractive choice for many students.
On October 25, 2024, I had the special opportunity to interview Mr. David Wellstead, the Director of the International Center responsible for international student admissions at Tabor, and Mr. Stephen Downes, the former Director of the International Center in Tokyo. We discussed the current status of Japanese students at Tabor.
A Place Where “Pure Japanese” Students Can Thrive
Tabor is often perceived in Japan as a prestigious school and it doesn’t offer ESL (English as a Second Language). This may give it the impression of being a difficult school to enter for students from Japanese ordinary middle and high schools—often referred to as “pure Japanese” students. However, it is less known that Tabor has a track record of accepting and nurturing such students successfully.
In my opinion, the most important thing is to make Tabor more recognized in Japan as a very good boarding school where “pure Japanese” students can be happy, provided they get through the first three months after admission.
In this interview, I inquired about how “pure Japanese” applicants can succeed in gaining admission to Tabor, too.
Interview with Current Admission Officers at Tabor
Outstanding University Admissions of Japanese Alumni
Kizuregawa: For this interview, Mr. Downes kindly looked into the university admissions of Japanese students from 2020 to 2024. Notably, many students received “Cum Laude,” an honor for those ranked in the top 20% of their class and who are also required to meet personal character standards. Japanese students have gone on to prestigious universities such as the University of Southern California, NYU, Northwestern University, and Boston University.
This shows that Japanese students are succeeding both academically and personally at Tabor. Why are Japanese students able to thrive at Tabor?
Mr. Stephen Downes (hereafter “Mr. Downes”): Through this research, I have again realized the success of Japanese students. When you look at students by country of origin, this high success rate is a remarkable result.
Characteristics and Growth of Japanese Students Up Close
Mr. David Wellstead (hereafter “Mr. Wellstead”): Over the past five years, I’ve had close contact with many Japanese students, and I’ve found them to be very diligent and hardworking. Their basic academic skills are well-prepared. They are also mentally mature and contribute positively to school life and the community. Moreover, the close connection between Japanese students and their families with Tabor has a good influence.
Mr. Downes: The ages between 15 and 18, spent at a boarding school, are crucial for the development of character. Having observed Japanese students, both graduates and current students, I find that they possess a strong sense of independence. It’s difficult to express, but there’s a positive form of “individualism” in them. Compared to Chinese or Korean students, Japanese students are fewer in number, so they do experience some pressure, but with good support from the school, they make friends and thrive.
Even looking at the graduates, I feel that Japanese students, including their families, are a perfect fit for Tabor. For example, Mr. Shosuke Idemitsu, an alumnus of Tabor, passed away in 2023, and I was invited to the memorial by his family.
Kizuregawa: In that sense, you’ve seen Japanese students overcome obstacles such as homesickness and grow during their time at Tabor.
[1] Shosuke Idemitsu, honorary chairman of Idemitsu Kosan, graduated from Tabor in 1952. He passed away in 2023, and his contributions to Tabor are still remembered through the “Idemitsu Scholar” summer exchange program to Japan.
Support System for Students
Mr. Wellstead: Every student at Tabor is assigned an advisor, and our International Center staff also monitors their progress. We also have “dorm parents.” With various support staff, students can always find the right person to turn to when they face challenges.
Mr. Downes: Our International Center staff visits each country three times a year—spring, summer, and fall. By getting to know not only the students but also their parents, we create a sense of reassurance that we care for them, helping students feel confident in their success at school.
What Tabor Looks for in Japanese Students
Kizuregawa: What kind of Japanese students is Tabor looking for?
Mr. Downes: We look for students who can be happy at school and thrive. When we look at most Japanese students’ TOEFL scores, the average is around 80.
However, TOEFL and SSAT scores are just one aspect of the evaluation. As admissions officers, we focus on how the student will develop over the next 3 to 4 years. We look for persistence, resilience, openness, and the ability to collaborate with other students and teachers.
High English proficiency is an advantage, but we also value students who excel in something, such as sports, physics, or music. Such strengths help students adapt to new environments and pursue high goals.
Mr. Downes: Recently, I’ve noticed that being “nice” is an essential quality at Tabor. All the children at Tabor are “being nice.” I couldn’t figure out why, but I think it’s related to the unique environment of “School by the Sea.”
What Makes Tabor Special
Kizuregawa: What do you think makes Tabor special compared to other schools? When applying to boarding schools, students often apply to multiple schools and choose one after receiving admission.
Mr. Wellstead: In my opinion, Tabor’s strength lies in its “long and rich history and international community.” There’s a strong connection and sense of camaraderie with international students from around the world. It’s like the example of Shosuke Idemitsu.
Mr. Downes: Tabor has a particularly deep relationship with Asia. Currently, students from Thailand, Oman, and Bahrain are studying at Tabor as government-sponsored scholarship students, and they’re becoming influential figures in their countries. Tabor’s history with Thailand is particularly old, with the first student from Thailand entering in 1920. Famous figures, such as the founder of the Thai Navy, have graduated from Tabor. This historical connection was recognized by the Thai government, which has been sending government-sponsored students since 1965. There are notable public figures among Tabor alumni.
Beautiful Location by the Sea
Mr. Downes: Tabor’s stunning location by the sea has a significant impact on the community culture, lifestyle, and curriculum. Everything begins with the sea and is connected to the sea. Tabor offers the only “Marine Science” class at any American high school, and there are electives in fisheries, celestial navigation, and seamanship. Tabor, along with St. George’s School in Rhode Island, is one of the only boarding schools with a schooner like “Tabor Boy.” Water sports like sailing and yachting are also very popular.
Ultimately, it seems that the sea determines the kind of people it attracts, and those people are shaped by the sea. It’s as if the sea decides what they will do. That’s why the academic curriculum, the Tabor Boy, and the marine sports are all connected. Students are given the opportunity to engage with the sea. Last week, there was an alumni gathering called ‘Ocean Week,’ where we had alumni working as climate change researchers and shipbuilding entrepreneurs.
Every year, on the morning of graduation, we always watch the sunrise over the sea. There’s a feeling that “the sea is the source of our spirit.”
How to Get Into Tabor?
A Comprehensive Evaluation Even with TOEFL 70
Kizuregawa: Since Tabor is one of the most popular schools, many applicants apply. Could you share how Japanese applicants can succeed?
Mr. Downes: For students applying for 9th grade, I think a TOEFL score of 70 and good academic performance and adaptability will be sufficient. We assess those aspects during the interview.
Kizuregawa: TOEFL is generally difficult for Japanese middle school students. Would you consider relaxing this requirement, for example, if a student attends a summer school?
Mr. Downes: We do not set conditional requirements because we evaluate the student’s overall potential for long-term growth based on their entire personality during the interview. If a student has a TOEFL score in the 70s, we are flexible and might consider accepting them in 10th grade. As I mentioned earlier, we focus on character, basic academic ability, and the willingness to try, making a comprehensive judgment.
From Kizuregawa
At the beginning of the interview, I presented an analysis of Japan’s unique educational system, the rapid growth of international education, and trends in students aspiring to study abroad, as well as strategies to increase the recognition of the school in Japan.
I’ve always believed that getting boarding schools to understand the unique aspects of Japan’s education system is fundamental to better understanding the potential of Japanese students and to creating strategies for increasing awareness of boarding schools in the Japanese market.
I hope this interview will provide support for Japanese students aspiring to attend Tabor Academy.
https://www.taboracademy.org/about
Massachusetts
1 hour drive from Logan airport, Boston
Mascot: Seawolf
Contact: Please consult Ayano Kizuregawa for any general inquiries.
