ボーディングスクールの親たち
こんにちは、ワーキングマザーのための受験留学アドバイザー・喜連川綾乃です。
今回はボーディングスクールの親御さんたちがどういう人たちなのかについてお話したいと思います。ボーディングスクールと言えば「富裕層」の行くところ、というイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?また、どういった人たちなのでしょうか?
ボーディングスクールにかかる費用とは?
学費以外の出費も大きい
合格後4/10までにEnrollment Agreementという契約書にサインをすると、学校からビザ申請に必要な入学許可証“I-20”発行のために必要な書類提出を求められます。そのために金融機関発行の残高証明書を提出することになります。年間のボーディング生としての学費相当程度の残高を確保しておくことが必要です。
一般的にボーディングスクールは学費だけで約7万ドルかかりますが、実は、学校に払込む学費以外にかなり費用がかかります。学費やそのほか、どのような費用がかかるのでしょうか?
- 学費:私の好きな全米のトップ校フィリップス・エクセター・アカデミー(PHILIPS EXETER ACADEMY)のHPによると、2024年入学で寮生の学費がUS$67,315で、教材や必要品がUS$900となっており、計US$68,215となっています。
- 飛行機代:アメリカの学校全般に言えるのですが、休みが多いのです。寮が閉鎖になる場合の過ごし方を考える必要があります。未成年は単身ではアメリカのホテルには泊まれませんし、子供なりにストレスが溜まるので日本に帰りたいと言います。普通はクリスマス休暇、春休み、夏休みは日本に帰国することになります。また、”Parents Weekend”と言って、年に2回保護者向けの学校訪問イベントが開催されて授業参観や先生との面談を行う機会があります。実際には参加する方は少数です。これらをこなすと年に4回ほど日米を往復することになりますね。
- 休暇の過ごし方:確実に考えないといけないのが夏休みの過ごし方で、サマースクールやSAT受験対策プログラムなどに参加します。私の知合いは大学受験に有利ということでイエール大のヤンググローバルスカラー(Yale Young Global Scholars)というプログラムに参加していました。2週間でUS$6,500です。サンクスギビング休暇などの寮が閉鎖になる期間には、留学生の受け皿として、各種キャンププログラムがあります。うちの息子は、ダートマス大学で行われるアイビーリーダープログラムというものに参加しました。SATの受験勉強やリーダーシップのワークショップの他、サンクスギビングの食事を作って配給するボランティア活動も行います。現在でUS$3,495です。大変人気のプログラムでした。
私は超円高の時にたまたま資金を確保しましたが、現在の円安・インフレの状況では気が遠くなりそうです。
どういう家庭か?
年収・ステータスなど
ボーディングスクールにも日本人保護者の集まりが結構あります。PTAで接する親御さんたちに職業などについて聞いたことはありませんが、学費や飛行機代について苦労している、という話は出ません。息子の学校の日本人PTAは派手な感じはありませんでしたが、経済的には余裕がある家庭だと思います。
お知り合いの方が新聞に登場しているのを見かけたこともありました。何らかの分野の第一人者という方でした。
高学歴であること
私の印象としては、親御さんのどちらかはかなり高学歴です。MBAや何らかの修士号を持っている方は多いです。ご夫婦で子供の教育についてよく話し合い、ボーディングスクールを選択している感覚があり、間違いなく教育熱心です。子どもも自分たち同様に修士号を取得するのが当然、という空気があります。
ボーデイングスクールの母たち
働いていない
インターナショナルスクールの保護者もそうですが、お母さま方は働いていないことが多いというのが私の印象です。皆さん聡明な方なので、不思議に思いました。
私の結論として、働く必要がない家庭で、経済的にじゅうぶんな余裕がある場合、まず家庭第一、子供の教育やしつけに専念する、という家庭方針になっているようです。一人っ子は少なく、兄弟・姉妹がいます。
日本有数のお嬢様学校出身の生徒さんのお母さまと接した際には、PTAのおつきあいにもおもてなし感があり、「さすが」と感じました。これではお子さんの教育に何かと手間暇がかかるはずだと思わせられました。
教育熱心
教育熱心であることは間違いなく、子供の将来までよく見通して学校選びをしています。大学受験のためのテスト対策なども良く研究し、親主導で受験対策を吟味し、叱咤激励します。何かあればアメリカに飛んで学校訪問も辞さないというムードです。
英語力
ご両親のどちらかは英語ができるようですが、一般論ではお母さま方が英語に堪能ということはありませんでした。子供のコース選択を行ったり、先生とメールで軽くやりとりできる程度かと思います。
金銭感覚
総じて裕福な家庭と見受けられますが、どのような金銭感覚なのでしょうか?
皆さん無駄な出費はしません。経済観念がかなりしっかりしています。ボーディングスクール受験についても、わざわざコンサルの無料相談を利用します。何かと「もったいない」という発言をします。教育に関する情報収集に熱心ですが、アンテナを張ってお得で良質な選択肢を常に検討する、という姿勢です。
お付き合い
日本人生徒が少ない場合は集まることも難しいですが、私の場合はよくランチ会に誘われました。また、「リユニオン」といって学校関係者が来日し、卒業生と保護者の集いを開催することもあります。日本国籍であっても海外在住の家庭もありますので、そういう場合は交流はありませんが。
毎年11月頃には面接官が来日しますので、その時には学校側から会場運営を手伝ってほしいと要請されます。受験生と保護者をアテンドし、学校の様子について質問にお答えして交流を図ります。
学校により異なる特色
インターナショナルスクール出身かそうでないか
学校により生徒や保護者のカラーが違う印象です。日本人生徒全員がインターナショナルスクール出身者で占められている学校があり、日本の学校とは別世界です。一方、息子の選択した学校は普通の日本の学校出身者が多く、自然体で過ごせました。
学校ごとの日本人留学生の採用方針が結果として現れているということだと思うのです。