ボーディングスクール合格者へのメッセージ
こんにちは。受験留学アドバイザーの喜連川綾乃です。
3月10日はアメリカのボーディングスクールの合格発表通知日でした。合格した皆さま、おめでとうございます!!学校側から盛大にコングラチュレーションメールが届いていることとと思います。
私は旧知のボーディングスクールのディレクターに連絡をもらい、来週、来日するボーディングスクールのアドミッションリクルートチームと一緒に合格者との“Envision Day”のレセプションに参加することになりました。
学校関係者が合格者に対して、在校生や現PTAと一緒に顔合わせを行い、学校をよく知ってもらおう、というイベントです。皆さまにもそのようなお誘いが来ているのではないでしょうか。
複数合格して学校選びに逡巡されている方はとても多いと思います。そういう皆さまのために私の学校選びの経験を共有します。また、入学手続きは大変に分かりづらく難しいため、気を付けていただきたいこともお伝えしたいと思います。
合格するとどうなるか
アドミッションと立場逆転
合格した皆さまにはコングラチュレーションメールや在校生、PTAからの勧誘メールが驚くほど届いていると思います。
いったん合格するとアドミッションと立場が180度逆転して、「ぜひ来てほしい」と頼まれる立場になるのです。その熱烈な勧誘ぶりは日本の受験では信じられないほどです。
アメリカのボーディングスクールもある程度歩留まりを想定してwait list入り通知をかなり出しますが、できるだけ意中の合格者を確定したいのです。
第一志望が確定しており、めでたく合格された方は別として、これからアメリカに見学に行ってから決めるという合理的な方もおられると思います。
全部の学校に行ければいいのですが、そういうわけには行きませんので最終的な決断が必要です。
学校選択について大切なこと
楽しんでいる姿が目に浮かぶこと
私はお子さまが楽しんでいる姿が思い浮かぶような学校を選ぶことをお勧めしています。ボーディングスクールはコミュニティ機能が強く、学校により千差万別です。日本の学校のように勉強や部活動と家との往復でなく、寮生活も含め、家族のように一体化して生活することになりますので、コミュニティの風土に溶け込める感覚が大事です。
入学後、海外の新しい環境に置かれると、少なからずの生徒がかなりヘビーなホームシックになります。時間がかかってもこの学校ならやって行ける、という信頼感がベースとしてあることが望ましいのです。
この学校ならお子さまが笑顔でキャンパスを歩いているイメージが描ける、という場所を選ぶことがベストです。
学校との相性をどう見極めるか
在校生やPTAとの交流
現在の在校生やPTAとの交流は大変に重要です。私には迷った学校が他にあったのですが、Envision Dayに参加してみると、どうも溶け込めるような気がしませんでした。また、耳にするところでは日本人在校生の学力レベルにバラつきがありました。
Revisit Day
合格者に対して”Revisit Day”という再訪問イベントも設けられます。私は出願前にセーフティスクールも含め自分の目で確かめましたが、ボーディングスクールの事情に通じている家庭は、逆に合格してから初めて学校訪問し、進学校を決定していました。その場合、学校はかなり手厚くもてなすはずです。
将来の大学進学について
ボーディングスクール卒業後のこと
私の場合、ボーディングスクール卒業後、どういう人生をたどるのかを知りたくて、学校側に紹介して欲しいと頼みました。親切なディレクターなら対応してくれます。
今なら分かるのですが、ボーディングスクールのブランドネームでアイビーリーグなどの有名校に合格できる、ということはありません。もちろんしっかりとしたカレッジカウンセリング体制があることは前提条件としても、その場所で輝けるかどうかで合格が決まります(成績、課外活動etc.)。
いまやアイビーリーグの採用方針は日本人には極端と思えるほどダイバーシティを重視します。わざわざ「ファーストジェネレーション(両親が大学卒ではない生徒)」をリクルートし、奨学金を与えて入学させています。
仮に、ボーディングスクールにファーストジェネレーションの生徒がいて、試練を乗り越え活躍している、という稀有な事例があったとしたら合格に近づくはずです。
自然体で自分にフィットした学校を選んで、力を発揮することが一番大切なのです。
気をつけたい入学手続き
入学の意思表明(契約など)
4月10日がAdmission Reply Dateとして設定されていると思います。進学校を決定して、4月10日までに契約書にサインして提出し、年間学費の10%を入学予約金として銀行送金しました(学校側から提示される契約書を必ず確認ください)。
銀行送金でなく、Flywireというオンライン決済サービス経由する場合もあるかも知れません。いずれにしろ、学校の銀行口座かFlywireの指定銀行口座への送金が必要です。海外送金に事前登録が必要となり間際になって受付が厄介で困った経験があります。海外送金に長けた銀行を選んでおきましょう。
契約書のミス
意外に事務的なミスも発生しがちです。契約書に入学許可学年が間違えて印字されていることもあります。G10で志望しても、一学年下のG9をリピートするように指示されるケースがありえますので、あながち間違いとも言えず、正誤を確認しましょう。英語力の問題で、1学年下げて入学するように指定されることはよくあります。
waitlist
複数出願していると、waitlist入りの学校に出会うこともあります。
残念ながら待っても繰上げ合格にならないこともありますし、何かの事情でかなり先になって返答されることがあります。
私の知合いはwaitlist校に合格して進学しましたが、これはラッキーなことだったと思います。
お子さまに最もフィットした学校を選ばれ、素晴らしいボーディングスクール生活になることを祈っております。