NYU合格ジャーニーその6.NYU合格通知

こんにちは、ワーキングマザーのための受験留学アドバイザー・喜連川綾乃です。
アカリさん親子と私が手探りで進んだ受験のドラマ最終回では、ついにつかんだNYU合格通知とそこに至るまでの道のりを綴ります。
ヨーコママとはその後もお付き合いさせていただいておりまして、アカリさんのNYU進学を楽しみにしています。
アーリーディシジョン(ED)以降
セーフティスクールやアート系への出願
EDとレギュラー出願の間に、ED2という早期出願パート2があり、1月1日が締切りでした。
準備がちょうどクリスマスから年末のコンサルの休みにかかり、コンサルの一番苦しいスケジュールにヤキモキしながら、南カリフォルニア大学(以下、USC)とNYUにギリギリで願書を提出しました。
各校の個別エッセイについては、アカリさんが非常に個性的な書きぶりで執筆し、彼女らしい「アカリワールド」を変えることはできないな、と思いました。アートスクールですから、アートポートフォリオという小品集の提出も求められます。
年を超えると弱気に
年を超えると弱気になり、アート系の有名校からヒューマニティの名門校、セーフティ校まで、リストは増えていきました。塾からは州立大学も出願しておいたらどうか、という声が出るほどです。
ヨーコさんからはセーフティ校に入ってからトランスファーする道もあるかもしれない、という話も出ましたが、私は「それはあてにはあまりしない方がよい」と言いました。トランスファーするにしてもまた、同じように願書を作り直さないといけないからです。
この時期は先が見えない不安に加えて、中途半端に妥協した場合への心配が交錯する辛い時期でした。
NYU合格通知
OVERJOYと安堵
2月になり、メールが舞い込みました。何とNYU合格のお知らせでした。
私とヨーコさんは嬉しさを抑えることができませんでした。押さえても湧く喜びとは、この不思議。OVERJOY、とはこのことかと思いました。
アメリカの大学受験は、一人一人の出願者の才能をしっかりと見抜く、ということをまざまざと見た思いでした。
コンサルは低倍率のバーナードを推しましたが、やはりアカリさんはバーナードではなく、NYUのTisch schoolのキャンパスで輝く才能の持ち主だったのです。
何よりも嬉しかったのは、NYUがアカリさんを等身大で受け入れてくれた、ということです。インタビューもなく即決でした。「ちゃんと見てくれていた」と驚くばかりでした。
他にもUSCからもインタビューがあったそうなので、やはりアカリさんはアートスクールにとっては光る人材だったのだと思います。これにはヨーコさんも驚いており、「学校は本当に見ていてくれるんだ」と同様の思いでした。
ED合格後も最終成績が大事
厳しいIBディプロマコース
ED合格判定は学期の途中ですので、どの大学も卒業時の最終成績の提出を求めます。最後まで学校の勉強をおろそかにはできません。
普通の日本の高校であれば、手を抜かなければそれほど心配することはありませんが、アカリさんの選択したIBディプロマコースでは、大学出願時点では見込みの成績となり、5月に最終試験を受験する必要があります(大学によっては仮合格証を与える場合があります)。
クリティカルな思考と分析力を追求するIBで鍛えられた経験者に聞くと、大学入学後の勉強がかなり楽になるということです。アカリさんの日常生活を見ていても本当によく勉強していると感じました。どこの大学に入っても通用すると思っています。
ただ、学習のベースは基本的に英語ですし、最終試験も英語になるため、高い英語力が必要です。また、日本のペーパーテストによる評価形式と異なり、IBのアクティブな学習方法には個々人の適性も見極める必要があります。
最後にアカリさんに伝えたいこと
息子にも言ったことですが、人生の早い段階で才能ある分野で好きなことを見つけ、打ち込み続けられるということは、本当に幸せなことです。これから逃げずに芸術の世界で生きていくステージに立てたということで、後は自分の努力と自己責任です。
「日本人でもアメリカ人でもない」という感覚を持つことには、他人には想像できない葛藤があると思います。
そういうアカリさんだからこそ、日米両方のアートの橋渡し、さらに牽引できる第一人者になれると思っています。



