NYU合格ジャーニーその1.アカリさん親子との出会い

こんにちは、ワーキングマザーのための受験留学アドバイザー・喜連川綾乃です。
この春、私が海外大学出願をサポートしたアカリさんがニューヨーク大学(以下、NYU)のアートスクール(Tisch School)に合格しました。
出会った時から、彼女にはNYUに入ってほしいと私自身が思っていましたし、彼女とご家庭を知れば知るほどそれがベストな選択だと考えていましたので、喜びはひとしおでした。
「合格へ到達できないのではないか」という不安とプレッシャーの中で、アカリさん親子と私が手探りで進んだ受験のドラマをどうしても残しておきたい、という強い思いがあります。
私にとって忘れられないアカリさん親子とのNYU合格ジャーニーを綴ります。
親子で面談
切羽詰まった状況
2024年9月初めのこと、下記のような1本のメールをアカリさんのお母様であるヨーコさんからいただきました。
メールの文中にある「G12」というのは、日本では高校3年生にあたります。出願が年内に迫ってきているはずですので、「信じられない、本当なのかしら?」というのが第一印象でした。
初めまして。
G12の娘がおり、現在アメリカの大学の受験準備中です。
日本のインターナショナルスクールに通っております。
現在、塾のサポートを受けていますが、正直、思ったようなサポートではなく、
やはり親としてもっと関わっていかないといけないとは思うのですが、
どのようにしていけばいいか分からず、困っていたところに
Webサイトを拝見しました。
ぜひ喜連川様からのアドバイスをいただきたいと思いご連絡いたしました。
どうぞよろしくお願いいたします。
あまりにも切羽詰まった状況のため、都内で直接お会いすることを提案したところ、アカリさんも連れて来てくださることになりました。
塾での状況
アメリカの大学の場合、11月1日がアーリー・ディシジョン(ED)出願の期限です。
アーリー・ディシジョンというのは言うなれば早期専願制度です。そこに合格したら、他には出願できないという契約を結ぶことになります。その代わり、EDでは合格率が飛躍的に高まりますので、第一志望校がはっきりしている場合はこの制度を活用します。息子のアイビーリーグ受験の場合でも、EDで合格率は20%以上高まると言われました。
メールをいただいた時点で9月ということは、出願まで残すところ2か月弱しかありません。
アカリさんの経歴や出願準備状況のお話を聞くとともに、一般的な出願プロセスに関する質問に答えていきました。塾のサポートを受けてはいますが、出願校もまだ固まっていないようでした。
「なぜなのか?」という疑問しか湧いてきません。この時期であれば、すでにED校を絞り込んでいるはずなのに。
また、アカリさんの志望分野も漠然としたもので、すでに実績のある写真などのアート分野での経歴をうまく活かし切れていないようでした。その理由としては、歴史、哲学、宗教などのヒューマニティーの分野を新たに勉強したい、という希望を持っていることも影響しているようでした。
しかし、大学の入学審査は大変に厳しく、専攻分野において誰が見ても納得できる志望動機と達成感ある課外活動の裏付けがないと、説得力が出ません。
もろもろお話しすると、まだ本格的な受験態勢に入ることができていないという感が深まり、結局、「塾を変えたいので紹介してほしい」という結論になりました。
「私ならこうする」ということをお伝えする
ヨーコさんは今まではお嬢様に任せていたものの、不安でたまらなくなったようです。
具体的に何をどうすればよいのかわからないご様子でした。「私ならこうする」ということをすべてお伝えしました。例えば以下のようなことです。
- 出願戦略が必要 志望校を固めて出願準備に入る時期にある。いわゆるREACH(DREAM)・TARGET・SAFETYの3カテゴリーくらいに出願先を絞り込んで、学校研究をした上で自分の強みや課外活動履歴をエッセイで訴求することが大切。
- 塾の変更について 転塾するにしても現在の塾のコンサル担当者から状況を確認した方がよい。
ヨーコママが電光石火で動いた
ヨーコさんはインターのママらしく、フレンドリーで話しやすい方でした。本当に私の言ったことをそのまま実践しました。翌日には、現在の塾のご担当との面談のアポを取り付けました。 その結果、こうおっしゃいました。
アート系の出願サポートをした人は今まで一人もいないとのこと。こちらの状況
を踏まえてどこかレコメンドがあるか聞きましたが、それはEDが終わってから考
えようというスタンス。
やはり我が子の状況では、このサポートでは追いつかず、後悔するなと思いまし
た。
速攻で転塾をサポート
私からは、アカリさんの経歴、現在の状況、指導する希望内容について簡単に英語でまとめた紹介文を作成して差し上げました。
また、塾に任せれば万全というわけではないことと、親の心配は結構当たるので、適時のコンサルへのプッシュも必要であることをお伝えしました。
時間はない中ですが、どの学校ならアカリさんの才能が活かせるか(それがすな
わちチャレンジ校合格の成功につながる)を一緒に検討してくれる才覚あるコン
サル選びが大切なので、その点をよくご相談いただくとよいと思います。
ヨーコさんはがむしゃらにすべてを実行に移す頑張りを発揮し、日曜日に私と面談した、翌週の木曜日にはもう次の塾との契約が決定しました。
具体的なサポートはこれからですが、担当コンサルとアートポートフォリオのサ
ポート、IBの学習サポート、元入学審査官のレビュー2回分という提案となりま
した。
塾との相性
変更が正解
アカリさんの場合、「塾変更は正解だった」とご自身も後に語っていました。
塾とは相性というものがあります。以前の塾で進捗がはかばかしくなかったのは、アカリさんの個性との相性もあったのかもしれません。日本人離れした感性を持つアカリさんの場合は、アート志望というめずらしさもあり、双方やりづらい感覚があったと思います。
そして、塾はすべてを解決してくれるわけではありません。
コンサルとの面談に同席
親子面談をサポート
塾が決まったら、私からはすぐにコンサルとの親子面談を持つことを助言し、私が自分の親子面談時に息子のことを説明するために作成した説明資料をお見せしました。
優秀で相性がよくてアートのわかるコンサルに決まるように祈っています。 親子
面談を持つことが大事です。先方から声掛けされるといいのですが、なければ申
し出ることです。私は自分で資料を作成して、子供の特長や過去の経験を紹介
し、心配な点・課題を挙げました。また、親としての希望もはっきりと伝えまし
た。
ヨーコさんとアカリさんの希望で、私も初回のキックオフのため、親子面談に同席させていただくことになりました。
アカリさん自身の作品公開
アカリさんから自作を提供してもらいました。



