海外大学進学

海外トップ大学進学その5.母親として最後の奔走

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こんにちは、ワーキングマザーのための受験留学アドバイザー・喜連川綾乃です。

日本ではにわかに信じがたいのですが、アメリカの大学受験ではどんなに成績が良くても課外活動で成果を上げないと報われません。時間切れにならないように準備に織り込みます。可能であれば中学時代から意識することをお勧めします。

私はこの点については「課外活動を何とかしなければ先はない」と考えていました。息子の課外活動探しから立上げに至るまでのリアルストーリーをお伝えします。

母親として最後の奔走

八方ふさがり

息子が高校2年生のうちに着手だけはしようと、関心ある分野を軒並みリサーチし、NPO団体にインターンの受入れをしてもらえないかについてメールで照会しました。

わかったことは日本のほとんどのNPOは、たとえボランティアでも18歳未満の高校生のインターン受入れを基本的に行っていないのです。私の目論見では遅くとも高校3年生の夏休みにはインターンで実績を上げようと思っていたので、「お先真っ暗」、「万事休す」の心境でした。

アメリカの高校生はインターンに気軽に参加して実績を積みますが、そもそも日本とは社会環境が違うのです。

そんな親心も知らず、息子本人は相変わらず、内心を明かしません。

唯一、ある患者支援NPOの海外原典の翻訳ボランティアを探し出しました。「それならやるか」というので親子で取り組むことにしました。

下心ある発想だったかも知れませんが、最後まで親子で翻訳を続けて感謝されましたし、勉強にもなりました。この団体はほぼ個人運営のクローズドなものでしたが、もし本当に情熱があれば、自分で国際レベルに発展させることだってできたと思います。それが自分で課外活動を立ち上げる、ということだと感じました。

周囲の人々に相談してみました

八方塞がりの現状を打開するために、考えられるすべての手を尽くすことにしました。こうした場合、私は恥も外聞もなく周囲に相談します。

1. クリムゾンのストラテジストに相談

クリムゾンの担当ストラテジスト(各生徒につくコンサルタント)に相談したところ、熱心にアイデアを出してくれました。「Harvard Crimson Global Essay Competitionにエッセイを書いて応募しなさい」「エッセイをブログに投稿しなさい」「夏休みにインターンシップをしなさい」などなど。

アメリカ社会でないと実現不可能な部分もあり、打開策にはなりませんでした。

なお、「エッセイを公表する」というのは評価対象になります。後に息子はCrimson Research Instituteの研究論文をブログで公表しました。

2. 開成の先輩に話を聞く

その頃、東大受験のために勉強の支援をお願いしていた開成の卒業生で東大生のT先生にお願いして、アメリカのリベラルアーツの名門大学に留学中の開成同期Mさんを紹介してもらい、経験談を聞くことにしました。

Mさん自身は東日本大震災の支援を行ったということで、古い言葉ですが「ナイスガイ」という言葉がピッタリの好青年です。

体験談としては、「自分も目指していた根本的な支援にまでは行きつかなかった。小さくてもいいから自分がやりたいこと、人のやらないことをやるのが大事」と至極ごもっともなアドバイスでした。

少しは息子に刺激になるかと期待したのですが、ハングリーに質問して食い下がる姿勢はなく、先が思いやられました。

3. 周囲の人に頼る

弱り切った私は、T先生に窮状を包み隠さず打ち明け相談したところ、息子とディスカッションしてくれました。息子はT先生とは胸を開いて話したようです。

T先生がアイデア出ししてくれたのは、東大での草の根の公開討論会活動やティーチングアシスタントです。これにはうちの息子は大変に引き込まれたようで、急に眼を輝かせ始めました。T先生が参加可能な活動がないかを調べてくれることになりました。しかし、すぐメンバー参加できるものは東大にはない、という残念な返事でした。

ダメ元でアタック

T先生のフィードバックを受けてもあきらめずに、その周辺のNPOを徹底的に検索しました。息子がやる気になる分野であることが何よりも大事だと思ったのです。あちこちにインターンを申し込んでは断られることにすでに慣れっ子になっており、もはや高校2年生の学期末を迎え、あきらめ半分、ほとんど破れかぶれの心境でした。

期待もせずあるNPOに今までで一番軽くストレートなトーンで「留学を考えている関係で、課外活動実績も積まねばなりませんので、ボランティアインターンで何らか参加する機会はありますでしょうか?」とお伺いメールを差し上げました。

すると奇跡的に「受け入れ検討が可能かと思います」というジャストミートした回答に接しました。我が目を疑いました。

私が嬉しくなって息子に朗報を伝えると、「えっ」と絶句して無言のままでした。

奇跡的に間に合う

2日後くらいに「あの話なんだけどさー」と息子が言いだしました。「じゃ自分でメールを出してみない?」と言ったところ、アクションを取ったようです。ただ、すぐに採用にはならず、そのNPOの有料の養成講座に参加して勉強するよう指示を受けた、とのこと。果たしてインターンにたどり着くかどうか先は見えないように思いました。

その後、代表理事との面談になったようでした。その時は、なかば半信半疑でしたので「オールオアナッシングにならないようにしてね、多少は妥協してよね」などと声をかけましたが、聞いていたのかいないのか。

息子のオンラインミーティングが増え、何となく活動しているような気配がしているものの、何も言わないし、こちらも無理して聞かず、祈るように見守るだけの日々でした。

「もう夏休みなのにどうしたのかしら?」と思っていた8月のある日突然、そのNPOのフェイスブックページに、うちの息子がリーダーとして立ち上げた活動の募集告知が突如出現していたのです。

その時はうれしさを通り越し、唖然とした感じとホッとした感じが入り混じりました。

「やった、奇跡的に間に合った、、、何とか1つは形になりそうだ・・・」と。

合格を引き寄せた課外活動

運と縁

このNPOインターンの実績は、実に合格を引き寄せたと思っています。入口は私が支援しましたが、息子はNPO内で企画提案して、メンバーのリクルート、講師の手配まで自分で行って、最終的には意義あるもの、「日本初」と言える活動を立ち上げたのです。

この活動は出願エッセイの中で達成事項として重要なパズルの一コマになりました。先に言いましたが、活動理念の創始者が第一志望校の元大学教授で世界的権威だったことは、運と言わずに何と言おうか。

息子はプログラム制度の良さで出願校を選んだということなので、この活動とは関連ありません。第一志望校選びをしっかり行った結果、学校コミュニティが深い部分でフィットしていたのだと思います。これが縁と言うものかも知れません。

母親として今思うこと

私の親バカぶりは恥ずかしいのですが、この芸当は外部のコンサルタントには不可能ではないかと思います。これでダメならあきらめるしかない、と思い必死だったのです。

課外活動は、本人が打ち込むべきもの、そこに嘘があれば見破られます。そばで観察する母親だからこそ、自分の息子のマインドや好みを理解できますし、探しまくる根性がある、というものです。私は探す過程でほとんど息子と対話もしませんでした、いわば「あうんの呼吸」です。

親が一心同体のように子供の胸中を察したからできたと思っています。子供の成長の課程でこうしたことができる時期はあまりないはずです。

現在留学中の息子はすべて自分でやっており、私はノータッチです。アメリカの大学の勉強は大変に厳しく立ち入る余地などありません。私は子供のためにも「自己責任」という言葉を伝えています。

私は彼が好きな場所、好きな仕事に巡り会えるように支援しました。これからは失敗して痛い思いもして、次の難関をこじ開けて欲しいと願っています。

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