海外トップ大学進学その4. 最大の難問は課外活動
こんにちは、ワーキングマザーのための受験留学アドバイザー・喜連川綾乃です。
留学準備を始めてすぐ、息子には「課外活動で成果を上げられなければアメリカの大学進学はあきらめた方がよい」と言いました。
合格率5%未満というアイビーリーグを受験するには、受験生なりの課外活動で成果を上げて出願エッセイでアピールしなければまず合格の可能性はない、と言えます。
歯がゆさと心配と焦りが交錯する中、母親として息子の課外活動をゼロから立上げサポートした実体験を綴ります。
海外トップ大学受験のための課外活動歴とは
国際レベルの課外活動をどうするか悩む
すべての留学指導塾でトップ大学に合格するためには、「国際レベル」の受賞歴や課外活動歴が必要、と言われたにもかかわらず、うちの息子にはあてはありませんでした。
受験を決める前から自分なりに取り組んでいたという立派な生徒もいますが、高校生になってから留学準備の一環で課外活動に取り組まなきゃ、となった純ジャパ高校生にとっては悩みの種になります。我が家もそんな感じでした。
塾で聞いた過去の合格者の活動履歴の素晴らしさにはひたすら感動するばかりです。彼ら彼女らは受験のための下心だけで活動したのかというと、そうとばかりは言えなさそうです。活動事例を見ると、その生徒なりの問題意識が原点にあって、本当にやりたいことに突き進んでいます。
課外活動に情熱を注いで一生懸命に取り組むことで、元々備える才能や能力が発揮されたことがはっきり見えます。「さらに大きなことを実現するために留学したい」という成長願望が留学の志望動機として納得感を生むのです。
開成の留学説明会では海外大学進学を考えている場合は、ボランティア活動などに取り組むように、とアドバイスされました。「留学するためにはボランティア活動をしなくては」とみんな思い込みがちです。ボランティアもひとつのきっかけになるかもしれませんが、「本当にやりたいことをやる」が正解です。
アメリカの受験プロセス
アメリカでは高校から大学院まで、出願書類には個人的に行っている社会貢献などの課外活動記入欄があります。人格や倫理観を重視するからです。
例えば、地域住民が問題に悩んでいたところ、自分のリーダシップやスキルを発揮して、失敗を乗り越えて、それまで誰にもできなかった問題解決をした、というサクセスストーリーが尊ばれます。
解決のために自分なりに何を創意工夫し、どのように周囲を巻き込んだかが評価されます。こうした課外活動を出願エッセイのトピックスとして、志望動機とリンクさせてアピールします。
Common Application(アメリカの大学共通の出願ポータル)にある課外活動の事例
事例 | いつまで | |
Activities 10個 | Arts or music, Clubs, Community engagement, Family responsibilities, Hobbies, Sports, Work or volunteering, Other experiences that have been meaningful to you ※Robotics, Research, Debate/Speechなどのタイプを選択します。 | 高2の夏休みにやりたいことを見つけるのがおすすめ。 高3の夏休みに仕上げて出願エッセイに間に合わせる。 |
親子の溝
我が家独自の事情
受験は何でもそうですが、アイビーリーグ受験となると、「人事を尽くして天命を待つ」しかありません。成績やテストスコアは自己責任でわかりやすく諦めもつきますが、課外活動で劣後する、という事態は悔いが残ると思いました。
何とか高校2年生のうちに立上げたかったのですが、一向に進む気配が見えません。さらに悩ましいのは、我が家独自の事情でした。
私が仕事でCSRマネジャー(企業の社会的責任マネジャー)を行っていたことが仇になりました。私が「社会貢献」について説明すると、ひけらかされるように感じるのか、怒り出します。「ママは分かってない!何も言わない!」と言うばかり。
ボーディングスクールで同級生だった生徒のママ友に相談すると、「それは意地があってよい傾向ですね」と言われました。しかし、受験には期限があります。
他のことではそれほど反抗的ではない子なのに、課外活動についてだけは異様に頑なです。自分でやるのなら放置でいいのでしょうが、そうでなく、、、これはマズい、マズいと心配しながらも時は過ぎゆきます。
高校2年生のうちに何らか着手するだけでもしないと「後がない」と考え、最後の手段でイチかバチかで私が直接動くことにしました。