高校留学

中高一貫校からの高校留学その2.考えられる選択肢とボーディングスクール

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こんにちは、ワーキングマザーのための受験アドバイザー・喜連川綾乃と申します。

息子にはティーンエイジャーの早い段階で留学体験を積ませたいと思い、何とか実現する方法はないかと探しました。その結果としてボーディングスクール留学という選択肢にたどり着きました。

ボーディングスクール以外の選択肢もずいぶんと検討しました。その過程で私が得た情報などを共有したいと思います。

ティーンエイジャーでの留学体験の選択肢

中学生での単身留学の検討

早ければ早いほど効果が上がると考え、本来は中学時代に留学させたかったのですが、開成の規程には留学に関して「中学は、海外転居に伴う保護者帯同の場合のみ、認めるものとする」となっていました。

世の中にはバイリンガルの帰国子女が多いものの、それはほとんど保護者の海外勤務の副産物のようです。開成を退学せずに中学生単身でアメリカのジュニアボーディングスクール(小学生から中学生レベルで入学可能なボーディングスクール)などへ留学する道はなさそうでした。

大学受験なども考慮すると、高校1年生で単身留学させることが現実的な選択でした。

考えられる選択肢

当初はボーディングスクール以外にも、公立校を含む高校留学のありとあらゆる選択肢をインターネットで探し、学校の先生にも相談しました。

開成学園は当時、柳沢幸雄前校長のリーダーシップで海外大学進学支援に非常に力を入れており、留学支援ができる教員や外国人教員をリクルートしていました。息子の担任の先生も熱心な留学推進派でした。それでも高校在学中の留学は応援するけれど、公式には具体策はない、という状況でした。

自分で選択肢を探してみました。

高校生交換留学プログラム

公益財団法人AFS日本協会(https://www.afs.or.jp/)のような民間の非営利組織が主催する年間交換留学プログラムが多数あります。応募して派遣生となれば1年間の留学が可能です。日本の中高一貫校からも多数参加しています。

私はいくつかの団体のホームページを調べて説明会や交換留学体験者の報告会に駆けつけるようにして参加しました。

留学生は異文化でのホストファミリーとの生活から来るノイズや慣れない学校生活で苦労しながらも、立派にたくましく成長している印象を受けました。

  1. 要件:英語力や適性チェックがあります。団体により求める英語水準に差があります。(息子の英語レベルが不安だったので英検3級でも参加可能な交換プログラムの団体の説明会にも参加しました。)
  2. メリット:現地のボランティアのホストファミリー宅にホームステイし、基本的に現地の公立校に通学するため、費用が良心的で廉価に抑えられるという素晴らしいメリットがあります。またAFSはヨーロッパ、南米などを含め、派遣先が幅広く、長い歴史を持つ制度として確立されています。
  3. デメリット:派遣先国は希望どおりに選べますが、配属地域や学校、家庭は選べません。現地の公立校へ通学しますので、学校側のカウンセリング等の支援は特段に保障されません。ホストファミリーや学校での人間的なあつれきが発生するなどの時は、本部でも相談に乗ってもらえますが、派遣生自身で打開していく強い意思と突破力が必要です。
  4. 情報:日本の中高一貫進学校からの参加者に、現地での勉強のレベル感について意見を聞いたところ、英語に慣れれば特段難しくはない、とのことです。

AFSは歴史も長く、息子の友人のお母さんは、一世代前になりますが、ご家庭がAFSの日本側ホストファミリーになったところ、自分が逆に招かれて留学したそうです。

また、私が息子の親友のお母さんにAFSの夏休み短期留学プログラムを紹介したところ、息子さんはIT系に関心があったためインド留学に挑戦されました。大変によいファミリーに当たり、「大満足」ということで嬉しく思いました。

ホームステイでの公立高校への通学という可能性

AFSなどの留学制度に頼らず、ホームステイしながら公立高校へ通学する方法がないかも検討しました。

当時の私にはアメリカの私立校と公立校の違いがよく分からず、公立校でも良質なホームステイができれば理想的に思えたのです。業者が提供する夏休みの短期ホームステイメニューなどはあったのですが、年間留学となるとパッケージメニューはありませんでした。それでもあきらめずにその頃打診していたアメリカ人エデュケーショナルコンサルタントに質問したところ、以下の回答をもらいました。

Typically, the top public schools don’t allow international students or home stays.  It is usually lower income areas of the US who want to attract international students and the funds that they bring, so they will offer it.  If you want to find a public school with homestay you have to research very carefully to get a good quality place.  However, for some students, they are most concerned about learning English, so the quality of the high school isn’t as important.

一般的に公立のトップ校は留学生やホームステイを認めていません。留学生の資金を呼び込みたいアメリカの低所得者層地域で提供されるのが一般的です。ホームステイのある公立校を見つけたいなら、かなり注意深く質の良い学校をリサーチする必要があります。もっとも、留学生によっては、英語を学ぶことが最大の関心事項であるため、学校の教育の質はそれほど重要でない場合もありますが。)

選択肢に悩み

AFSの制度を利用してアメリカの公立校へ留学することについてはかなり真剣に検討しました。

その後長い付き合いとなったアメリカ人のエデュケーショナルコンサルタントのナタリーは、「公立校は留学生へのオリエンテーションなどのサポートもないから勧めない。今も公立校に行って悩んでいる留学生の相談に乗っている」と言います。

私にとってネックになったのが配属地域と学校を選択できないことです。土地勘のないエリアで見ず知らずの公立校に送り込むことを当時は躊躇しました。私的なコネクションを活かしてホームステイできる可能性もありませんでした。

そこで、私立高校のボーディング形式の学校を受験する道を追求することにしたのです。

(ご参考)アメリカの良質な公立高校

アメリカには良質な公立高校も数多くあり、治安が良く、所得が高いエリアに存在するように思います。

以前、Airbnbでマサチューセッツ州のレキシントンに滞在した時にその家のオーナーに「レキシントンの教育レベルは高いのよ」と言われました。

調べると、レキシントンハイスクール(Lexington High School)というマサチューセッツ州トップレベルの公立高校がありました。確かにレキシントン自体が非常に環境のよいエリアで、平均世帯年収は10万ドル以上となっています。

また、カリフォルニア州に住む私の古い知合いは富裕層で教育熱心ですが、家族と離れて暮らすボーディングスクールについては懐疑的です。彼女は富裕層が多い地元で、保護者が運営にしっかりと参画する公立校へ子供を進学させています。保護者による資金集めは大変な規模になっています。

息子の大学で選ばれてフェイスブックに登場するような成績優秀者には有名ボーディングスクール出身者は見たことがありません。パブリックスクールの中でもサイエンス&マスという冠が付くような教育レベルの高い学校が保護者によって選ばれているという感触を得ています。

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