ボーディングスクール受験戦記 中高一貫校・純ジャパのチャレンジ その5.「アメリカのエデュケーショナルコンサルタントを探す」
こんにちは、ワーキングマザーのための受験留学アドバイザー・喜連川綾乃です。
いま振返っても、ボーディングスクールや海外大学受験を成功させるためには、良き伴走者となるエデュケーショナルコンサルタントが必要だと感じています。
その理由は、①日本には情報が少ない、②合格可能性などの相場観がない、③海外大学の場合は専門的すぎる、等々です。独自対応も可能ですが、慣れた頃には受験シーズンが終わっているというようなことにもなりかねません。
受験留学アドバイザーをしている私ですが、過去にどのようなコンサルタントとお付き合いしてきたのでしょうか?
※写真は、実際に訪問したThe Gunnery(現在The Frederick Gunn School)のラウンジ。
アメリカのエデュケーショナルコンサルタントを探す
アメリカのプロの独立教育コンサルタントたち
夏休みの学校訪問をどうしたらよいか相談したく、自分でコンサルタントを探すことにしました。
その時点で私は日本には営利主義のエージェントしかおらず、いいコンサルタントはいないと思い込んでいました。
そこで、アメリカのボーディングスクールサイトやIECA(Independent Educational Consultant Association)というプロフェッショナル教育コンサルタントのメーリングリストを利用して、コンサル募集を呼び掛けたのです。
すると、膨大なレスポンスがありました。眼のつけどころはよかったものの、なかなかこちらのニーズが理解できないようです。
日米の差
まず、1年だけの留学の意義に懐疑的、夏休みの時期での学校訪問はあまり勧めない、などなど。
また、アメリカ人コンサルは電話やSKYPEなどで対話する時間単価100ドル課金するのがビジネススタイルで、私が希望するようなメールで細かいフィードバックはしてくれません。
候補者たち
スクリーニングするためにメールでの照会を続けた結果、候補として残ったのは:
- ボーディングスクールサイト経由でつながったMr. Lという、アイビーリーグ大学出身で将来のアイビーリーグ入学を視野に入れたトップ校狙いが売りの男性コンサル
- ボーディングスクールサイト経由でつながった日本人をグロトンスクールに入れた実績を誇る辣腕で、フィーが高い女性コンサル
- ボランティア感覚で丁寧なメール回答をくれたロードアイランドの淑女的なIECA登録の独立プロコンサルのナンシーという女性
契約するも失敗
何度かやり取りするうちに、Mr. Lが開成の柳沢先生のことを知っているというので、信頼感が増し、失敗してもいいから契約しよう、と思いました。高い契約金を一括で送金しました。
その後、何度かやり取りを重ね、非常に高いスキルを感じるものの、あまり几帳面にフォローしてくれない感が出てきました。要するに一括でお金を受領するまでがベストパフォーマンスだったわけです。
夏休みの学校訪問先も最初数校提示してくれて、その後音沙汰無しになりました。明らかに高くついた失敗だったと思いました。
よき理解者ナンシーとの出会い
困った私は、丁寧なメールをくれたナンシーに電話して、別途SKYPE会議を設定しました。
彼女の時間単価は、200ドルと通常の倍です。SKYPEで話してみるとHPの写真よりはかなり年上だったものの、大変に知的で、ボーディングスクールのことを熟知しており、判断力に富み、少し古い時代の良心的なアメリカ人、と言う感じでした。
幸いナンシーはアジア系留学生に評判がよく、紹介に次ぐ紹介で留学生顧客をたくさん抱えており、予約がいっぱいのようでした。
個人的にも気が合い、彼女に相談しながら訪問校を選定していきました。その後、気が付いたことは、ナンシーが好きだという学校は、私も好きになれたことです。そういう点で彼女への信頼感は増していきました。
的外れなメール照会や体当たりの現地学校訪問
的外れなメール照会を繰り返す
アメリカ人コンサルに会うまで、あちこちのボーディングスクールのアドミッションズオフィスに編入で1年程度留学するのは可能か、という照会をしたり、ホームステイでの公立校留学は可能かなどを調査し続け、無駄な時間と労力を費やしていました。
学んだこと
高いお金を出してアメリカ人コンサルから学んだことは、ボーディングスクールというものは、寄宿生活が1年ごとの一区切りで、その翌年に戻ってくることを強制されることはない、転校することもよくあること、ということでした。(実際に留学生はホームシックで相当苦しむことになり、途中退学もあり得ます。)
学校側は生徒を非常に温かく受け入れてくれ、楽しく過ごせるように対応してくれるし、子供達は楽しい環境だから勉強できるんだといいます。最初は短期間のつもりの生徒も「帰りたくない」と言いだすよ、ということでした。
また、これらのコンサルは、公立校をサービス対象にしていませんでした。
ナンシーにも「海外留学生には公立校は勧めない。留学生向けの丁寧な受入オリエンテーションもないし、ESLカウンセリングが足りないから。今も公立校に留学して困っている中国人の悩み相談を受けている」とはっきり言われました。
そんなこんなで公立校については検討を打ち切りました。
次回は、その後の実際の学校訪問体験などについてお話したいと思います。