海外大学進学

Q&A開成中学入学者のお母さまから海外大学進学について

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こんにちは、ワーキングマザーのための受験留学アドバイザー・喜連川綾乃です。

もうすぐ母の日です。皆さまのお子さまが日頃の苦労を思いやってくれるといいですね。

海外大学進学を希望する開成中学入学者のお母さまから質問をいただきましたので回答します。(質問は原文のままです)

開成中学に入学したばかりのお母さまからのご質問

今年の春から開成中学に入学する息子の母親です。

4年生から中学受験に向けて奔走して合格を頂き無事、入学となりました。
しかし、この先を見据えて動き出すには、グローバル化や国際色豊かは否めず、夏のサマースクールは外せないと思い、色々調べていました。

最初の留学はカナダが良いと思い「カナダ」「寮」「友達が週単位で変わらない学校」を指針に探した所「アップルビーカレッジ」が良いと思い皆様の口コミが見たく調べたらこちらのサイトに出会いました。同じ学校の先輩が留学をしている!!と、驚きと嬉しさで御連絡させて頂きました。

この先を見据えて動き出すには、グローバル化や国際色豊かは否めず、夏のサマースクールは外せないと思い、色々調べていました。最初の留学はカナダが良いと思い「カナダ」「寮」「友達が週単位で変わらない学校」を基準に探したところ、アップルビーカレッジAPPLEBY COLLEGE(カナダトロント)が良いと思い、皆様の口コミを見ようと調べてこちらのサイトに出会いました。「同じ学校の先輩が留学をしている!!」と、驚きと嬉しさでご連絡させて頂きました。

1. 開成生は割と留学志向は高いのでしょうか?  

学校の勧めの留学先と記載があり、学校自体もその様な雰囲気があるのでしょうか?※サマースクールの選び方と体験談

開成は柳沢前校長も野水現校長も海外大学進学を推進されています。広尾学園のインターナショナルコースのように海外大学進学を目指してプログラムを組むというものではなく、すべて生徒の自主性に任せます。留学に関心を持った生徒をソフト面で支援するという体制です。

留学フェアもよく開催され、卒業生を含めた留学体験説明会、サマースクール報告会や海外の有名大学の学校説明会もあります。先輩が海外大に進学した実績を見聞きできる環境で、もともと挑戦意欲旺盛な開成生ですから留学を志望するようになります。先生方も海外大学進学志望と言われても、特に驚かないという感じです。海外留学が身近な土壌が留学志望につながります。

他の男女御三家と比較しても海外大学進学者数は多いと思います。特に開成の特長は、ハーバードなどアイビーリーグ校進学者が多いことです。元々東大クラスの知的レベルがありますので、海外大学進学の対策をしっかり行えば、日本からの出願であることも優位に働きます。英語力さえ磨けばトップ校合格の確率は高まると思います。

サマースクールについては毎年、全学園で50名程度が自主的に飛び出しています。国内大学に進学する生徒でもサマースクール参加には熱意を燃やします。高1か高2くらいでアメリカの一流校のサマースクールに参加するためTOEFL80越えを目指して勉強します。

2. 開成の英語のレベルはどの位の進み具合と到達点なのでしょうか?

難関中高一貫進学校の中学では卒業時に英検2級を取得していることが多いようで、開成生もそうなっているようです。

開成ではどの科目も教員が自由に作るオリジナルプリントに基づき授業を行います。英語のリーディングでも教員が自分で好きな英語小説などを選んで教材にしています。

東大の英語試験の難易度について

開成生は基本的に東大合格を基準にして英語を学習すると言えます。東大受験のために長文読解などの受験スキルが必要になります。

念のために、2023年度の東大の英語二次試験の問題を見てみました。英語としての難易度は英検1級とまでは言いませんが、準1級には軽く合格するレベルと思われます。社会・文化に関する文章を読み解き、論理的思考力が問われる問題ですので、かなりの演習対策が必要です。

それでは、開成の英語の授業だけでこの受験スキルを身に着けられるかと言えば、答えはNoだと思います。開成では受験スキルの指導はしないからです。生徒は生徒なりに効果的な対策を求めて、東大受験専門塾の鉄緑会やSEGなどに通うことが一般的です。

留学に必要な英語力について

野水校長の以下の発言によると、高校卒業時に約半数がTOEFL iBT®80点、約1割がTOEFL iBT®100点ということです。これはサマースクールや海外大学進学を目指して対策した層の英語力に限定されるかも知れません。

TOEFL iBT®80点は、アメリカの10スクールのチョート・ローズマリー・ホールサマープログラムなどのレギュラーコース参加の条件で、高校2年生で参加する生徒は多いです。(開成には10スクールレベルのサマースクール参加の場合、欠席とみなさない規定があります)

100点クラスになると、海外大学受験を目指して受験対策した層だと思います。ちなみに開成の場合、意外に帰国子女が多く、開成から海外大学進学を目指す帰国子女層は110点越えを確保できると思います。

野水 開成ではネイティブ教員を、専任で2名、非常勤で6名配置しています。日本人教員もネイティブ教員と英語で会話できる方々ばかりです。そうした教員団によって、早期から特に「話す」「書く」力を重視した授業を展開しています。たとえば中2では、2学期に自分で興味を持ったテーマについて原稿を書き、3学期に皆の前で3分間プレゼンテーションして、その内容を全生徒で評価する形式の授業があります。私も立ち会ったのですが、自分の趣味のほか、環境問題、政治問題など、テーマは多岐にわたり、しかも深く掘り下げた内容で驚きました。早期からこうしたトレーニングを積むことは、とても効果的だと感じており、実際、中3と高1で全員に課すGTEC®とケンブリッジ英語検定の結果を見ると、「話す」「書く」力のスコアが圧倒的に高くなっています。さらに、高校卒業時には、約半数の生徒がTOEFL iBT®80点、CEFRのB2レベルに到達していますし、約1割の生徒はTOEFL iBT®100点、CEFRのC1レベルに達しています。

開成・灘 特別教育対談「変わる時代」に「変わらぬ教育の本質とは」

3. アップルビーカレッジは行かれていかがでしたでしょうか?(我が家は4週を考えています)

開成中学では中学2年生で初めてサマースクールに参加する時にアップルビーの「サマーESLプログラム」を推奨されました。うちの息子はこちらには参加していません。

息子の親しい友人は中学2年生でこのコースに参加しました。初めてなのでアジア人でも臆することなく楽しめるように、というのがご両親の期待だったそうです。これは大変に賢明な期待だと思います。それを裏切らず、アップルビーは非常に多国籍なクラスで英語初級でも楽しめるよい経験ができたそうです。これで意欲が増し、翌年も別のサマースクールに参加して、最終的に海外大学を受験されました。

アップルビーカレッジについて

今回アップルビーカレッジに照会をしてみました。回答もスピーディかつ懇切丁寧で素晴らしいと感じました。

アップルビーの良さは、国籍のダイバーシティを確保しているところです。1言語グループが25%程度に収まるようにコントロールを効かせるそうです。2023年度で14か国からの参加者でした。また、寮の部屋も異なる国の参加者になるように配慮するそうです。

8月は日本の夏休みに合わせて参加者が集中するため、すぐに締切になるため早期に申し込むことが必要です。(今年度の8月枠は締切られました)

カナダに行くとアメリカ以上に移民が多い多民族国家だと感じます。アメリカの場合、移民がアメリカナイズされているのですが、カナダでは移民がそのまま混在しているような印象を受けます。そのため多民族の外国人に対応できるESLプログラムが発達しています。

4. 息子の英語レベルは無いに等しいです、それでも楽しめるのか少し心配です。それまでに必要な事はありますでしょうか?

ESLプログラムはどこも同じですが、初日に英語力のアセスメントを行い、それに基づきクラス分けします。合わないと感じたらクラス替えの申し出可能です。

日本人を幅広く受け入れている、とのことですから、英語レベルについて心配は不要だと思います。

アメリカのトップボーディングスクールのESLプログラムでは必死で勉強することになりますが、アップルビーのESLプログラムはそこまで勉強メインではありません。平日午後の大半はレクリエーション活動ですし、週末は観光、といったメニューですので、根を詰めて勉強する、ということはないと思います。海外生活初心者が楽しみながら、世界中のクラスメイトとの生活を体験する、というところです。

日本についてプレゼンする機会があると思いますが、特に準備する必要もなく、お子さま任せでよいと思います。

お子さまご自身で主体的に参加いただく気持ちの醸成が一番大事です。サマースクール参加をきっかけとして将来の留学へ向けての意欲を高めることができます。

5. 開成から国内の大学は進学せず、ある程度の海外の大学を漠然と考えています。どの様なプロセスやアプローチが必要でしょうか?

開成から海外大学進学を目指す場合は、せっかくですので世界のトップ大学を志望いただきたいと思います。トップ大学進学の要件として、成績、TOEFL・SATスコア、課外活動の内容をベストなものにすることが必要です。

中学時代の生活について

中学時代に関して言えば、ポイントは以下の3点です。

  1. ある程度勉強して学校の授業についていくこと
  2. 中学の間に最低でも英検準1級を取得
  3. 開成生活を楽しむこと

高校で悪い成績をとってしまうとトップ大学はあきらめざるを得ないのです。この点、中学からの入学者は、成績作りを意識して高校生活を送ることができます。高校入学組は海外大学進学をしたいと気が付いた時には成績が悪く手遅れ、ということになってしまうこともあるでしょう。

海外トップ大学進学のためには、TOEFL100が最低必要で、英検1級レベルの基礎英語力が必要です。基礎英語力を身に着けた上で、TOEFL対策を必死で頑張ります。

中高一貫進学校の中学生は中学卒業時に大体英検2級を取得されているようですが、海外大学を目指す場合は、中学のうちに英検準一級を取得しておくとTOEL80越えにつながり、TOEFL100を目指したスタートラインに立てます。

いきなりTOEFLを勉強すると伸び悩みますので、まず英検で基礎英語力を身に着け、高校1年生時にハイレベルなサマープログラムで生きた英語を学ぶとよいと思います。

海外トップ大学受験には面接もありますし、エッセイ執筆にも相当の英語力が必要です。海外大学志望に振り切るなら、高校1年生で海外留学すると海外大学出願のための英語にまつわる心配はまったくなくなります。色々とトレードオフの悩みは出てきますが。

最後に、中学生のうちは、開成生活を思い切り楽しんでいただきたいです。学校生活が充実していることも重要なポイントですし、出願には中学3年生時からの課外活動を申告します。課外活動は差別化のために不可欠な要素ですが、その人なりのユニークなものである必要があります。

そういった意味で開成中学には課外活動のユニークなネタがたくさんあります。全国レベル、国際レベルまで発展させる生徒もいます。

お子さまなりに打ち込めるものをぜひ見つけていただきたいです。

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  1. 英語力向上対策(親子英検受験講座)
  2. 中学受験対策(塾での面談代行等)
  3. 高校での年間留学対策(ボーディングスクール受験など)
  4. 米国トップ大学進学対策
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