フレンド
こんにちは。受験留学アドバイザーの喜連川綾乃です。
旧知のボーディングスクールのディレクターに招かれ、今年の合格者の集いに参加しました。学校側にとっては合格者に再度学校のことをプレゼンしてアピールして、よりよく(併願校よりも)知ってもらうために来日する貴重な機会です。
そうした場で合格者に“our friend”と紹介されたことは大変に光栄で嬉しかったですね。
また私にとっては色々と学んだり、考えさせられるものがありました。
ボーディングスクール合格者の状況
併願校との比較決定
ボーディングスクールに専願ということはあまりなく、通常は複数出願します(うちの息子の場合は11校出願しました)。合格圏内にいれば、3月10日の一斉合格通知日には複数合格がもらえます。4月10日までに進学先を決定の上、契約書にサインして提出し、スペース確保のための入学予約金を送金することになります。
合格の喜びに浸りつつも、甲乙つけがたい場合、どの学校を選ぶかで非常に悩む時期になります(うちの息子の場合も同様でした)。
親心
合格者の方と、学校側のリクルートチームと在校生、PTAとの間でじゅうぶん意見交換することが目的ですので、不安に思うことを引き出してディスカッションします。
親御さんはどなたも真剣そのものです。すでにお子さんは海外の学校に在学中で離れているケースもあり、なおさら遠方にいるお子さんにとってよい学校生活を送れるようにと願う親心が痛いほど伝わってきます。
意見交換
サックバランに併願先を聞くと、うちの息子が出願したり、出願のために訪問したことがある学校ばかりでした。難易度のレベル感や学校の特長・雰囲気が分かりますので、意見交換をしました。
どの学校を選ぶのが正解か
日本人の大学進学状況はどうですか?という質問
およそボーディングスクール出身者でアメリカの大学受験経験者でもなければ、まずボーディングスクールの選び方はピンと来ないと思います(私もそうでした)。そこで大学進学状況についての質問が出ます。
「この学校では日本人が有名大学へ多数合格しています。なぜですか?」という質問に対しては、「なぜそうなっているかというと、子供に適合した環境だったからです。どの学校に行っても大学進学に特別に有利になるということはありません。お子さんが一番輝けると思える学校を選ぶのがよいと思います」という回答になります。
やってはいけないことは、行きたくもないのにブランドネームで選ぶことです。
相性の良くない学校の熾烈な学習環境で友人も作れないとしたら成績どころではなく、ひどいホームシックになってしまいます。
お子さんの判断を尊重する
過去の色々な生徒さんの履歴を見ると、お子さんのタイプによってどのような軌跡を辿るのか、合いそうな学校も分かります。
ある合格者さんには自然体で「この学校が一番合っている」、と言い切れましたが(この見解は経験豊富なリクルート責任者も同意見でした)、別の合格者にはむしろ別の学校の方がチャレンジングでいいのでは、と思い、「最終的にお子さんに決めて頂く方が良い」、と言いました。その場合、過去の事例からは成績優秀者になる可能性が高いと思っています。
しっかりした学習コースと安心な留学生へのサポート体制を備えた学校であるという前提であれば、お子さんがたとえ「山の近くの学校がいい」とか、「海の側の学校がいい」、「スキーがやりたい」などの一見他愛ないように見える理由であったとしても、お子さんの決断は尊重した方がよいと思います。
ボーディングスクールには色々なプロジェクトや課外活動の機会もあり、やる気があれば日本にいたらできないようなブレークスルーができると思います。
繰り返しになりますがアメリカの大学受験では、学校名はあまり関係ありません。充実した学校生活を送ることが一番大事です。トップ校で不満の残る学校生活を送るよりも、中堅校で自信を持って自己実現した方が希望大学の合格に近づきます。
各学校の大学進学実績の見方
どのボーディングスクールもAcademicsページの College Counselingセクションに Matriculationの記録があります。
ご覧いただくと、いわゆるセーフティスクールでも上位校のようにアイビーリーグへの合格者を出していることが分かります。大学側はバラエティに富んだ出身校を好むからです。
再認識したこと
お子さんを無理して勉強させることはできない
子供の心理はコントロールできないと感じることがあります。
自分が決めてスキーが楽しめる学校に入ったから、プライドを持って勉強にも励める、という環境設定をすることは親の理解で実現可能かも知れませんが、環境選択を間違えて落ち込んだ子供を無理に勉強に引き戻すことは難しいと思います。
そうなった場合、例えば、転校などの措置を考えるケースも出てきます。
お子さんが気持ちよく毎日を過ごせる環境選びの方が行く末間違いないと思います。
コンサルに任せればよいか?
今回改めて一人一人が違う、ということを再認識しました。
お子さんによってポテンシャルが発揮できそうか、成長が期待できそうかは伺える反面、合わないお子さんを途中で変えることはかなり難しいと思います。お子さんによって勉強への向き合い方も違います。
私の周囲にも大学受験のために早期からコンサル契約を結んでいる方がいますが、それで状況が変わるほど簡単なものではありません。
ボーディングスクール選びは、入口でじゅうぶんな選択をすることをお薦めします。
ご不安な場合はお気軽にご相談ください。